教育

教授メッセージ

Message

Manabu Kawai

川井 学教授

外科学第2講座で
働いてみようと考えている先生がた

現在、和歌山県立医科大学 外科学第2講座で消化器外科医としての仕事をしてみたいという先生を広く募集しています。外科医として“心・技・体”が大切です。
外科医にとって、“心・技・体”は以下の通りと考えています。
:日常診療の疑問点を解決するリサーチマインドの修練
:高難度手術手技・低侵襲手術手技の修練による質の高い外科医療の取得
:高いパフォーマンスを行うための心と体の休養

キャリア形成支援

当教室では多くの関連施設と密に連携し、外科専門研修プログラムの中で日本外科学会・日本消化器外科学会専門医を効率的で短期間で取得できるように、必要手術件数を効率よく経験できるローテーションを組むよう配慮しています。そして、外科修練中は地域医療に必要とされる一般外科の素養を十分に積めるように修練を行います。その後、自身の専門分野を決めた後は、外科の高度な知識・技術を要求される日本内視鏡外科学会技術認定医あるいは日本肝胆膵外科学会高度技能専門医も取得するための修練を積みます。従来の「手術は見て覚えろ」というような間違った当たり前をなくし、きめ細やかな、そして対話を重視した教育を行い、マンツーマン体制での、丁寧な手術指導を心がけます。教育のコンセプトとして、外科医である前に、まず人として、社会人として教育し、高邁な倫理観と創造力のある医師を育て、そして次世代のリーダーとなり得る人材を育成します。

Academic Surgeonとして

私たちが目標とする「すべては患者さんの益する外科治療」のためには、病態解明や新規術式・治療の開発のための基礎・臨床研究も必要です。外科医は手術だけ出来れば研究は必要ないという方もいると思います。しかし、外科医として、ベットサイドでの日常臨床の疑問点を解決するために、研究の時に養う、仮説を立て、結果を推測し、それを実証するという論理的思考が必ず役に立ちます。外科医としての日常臨床の疑問点を基礎研究のテーマとし、基礎研究の結果を臨床応用するトランスレーショナルリサーチを推進し、「世界に向けての本学発の新規治療開発」を目指します。具体的には、切除標本やリキッドバイオプシーを用いてゲノム解析による新規バイオマーカーの開発、ゲノム変異を標的とした抗癌剤・分子標的薬剤選択、標的遺伝子抽出による創薬開発を行っていきます。研究にあたっては本学基礎医学講座、国内外他施設研究機関等とのあらゆるネットワークを駆使して連携体制を作り、研究を行っていきます。希望すれば、海外留学も積極的に支援し、外科医としてのキャリア形成を重点課題としながらもグローバルなacademic surgeonの育成を行います。

ワークライフバランス

「健全な精神は健全な肉体に宿る」という古代ローマ詩人の言葉があります。仕事で高いパフォーマンスを行うために心と体の休養は必ず必要です。このため、今までの外科医個人の頑張りに依存した従来の働き方ではなく、私たちの教室はチーム医療の中で、ワークライフバランスを考えた環境整備を行っています。友人と、恋人と、そして家族と語らい、そして自分の時間を確保することで、仕事への活力が生まれます。

教室の柱は「若手医師を含めた全員が活躍できる教室作り」です。教室の最も重要な役割は人材育成であり、人を育てるための心構えとして「一忍可以支百勇 一静可以制百動(一忍を以て百勇を支え、一静を以て百動を制す)」が大切と考えています。この言葉は、江戸幕末の越後長岡藩牧野家の家臣であった河井 継之助の言葉です。「一忍可以支百勇 一静可以制百動」の意味は、「万人の憂いを支えるためには、自らは忍を持ってあたらなければならないし、万人を動かそうとすれば、信念をしっかり持って揺れ動かず、じっと、万人を見守っていなければならない」です。「万人」を「若手医師」に置き換えてもらえれば、私の言いたいことになります。教室を任された者として、Academic Surgeon育成というブレない基軸を示し、「縁の下の力持ち」として、教室員一人一人が進んで自己研鑽を行う高いモチベーションを持てるような環境を整えていきます。消化器外科の仕事を私たちと一緒にやっていこうと思う先生を心からお待ちしております。

426

ページトップへ戻る