ナビゲーションをスキップする

ここから本文です。

治療方針-肝胆膵

膵癌に対する治療法

手術方針

  1. 頭部:原則的に幽門輪温存膵頭十二指腸切除(PpPD)とする
    胃浸潤,#6陽性などの状況により従来の膵頭十二指腸切除(PD)
    体尾部:膵体尾部切除,D2郭清
  2. 門脈は可能ならば剥離し、浸潤があれば合併切除
  3. 上腸管膜動脈(SMA)はQOLを考えると基本的には1/2(~2/3)郭清剥離面の癌遺残を無くすため術中に左右の神経叢を凍結切片に提出し陽性であれば、全周郭清を施行
    神経叢は術後のHEと比較し、さらにPCRによるmolecular diagnosis(target moleculeはcytokeratinを想定)を加味し、種々の因子と比較検討する
  4. #16の郭清はpick upとするが、凍結で陽性であれば#16a2からblまで郭清

膵嚢胞性疾患に対する治療法

診断:外来段階でMRCP,CT,EUS必要であればERCP、Angioも追加

sereous cyst adenoma 経過観察
pseudocyst 経過観察
mucinous cyst adenoma 手術
SCT(solid and cystic tumor) 手術
IPMT(intrapancreatic duct mucinous tumor)  

さらに適応を判断→ERCP,Angio(CTA/CTAP)

IPMT対する治療法

手術適応

  1. 主膵管型:1cm以上、分枝型:4cm以上
  2. 膵液細胞診>=Class4
  3. 壁在結節 3mm以上
  4. Vaterからの多量の粘液産生・流出
  5. 腹部症状
  6. 急激な増大
  7. 腫瘍マーカーの高値

術式

  1. 良性を疑う:膵頭十二指腸第2部切除、膵分節など縮小手術
  2. ボーダーライン(minimum invasionを含む) :PpPD
  3. 悪性(invasive)を疑う:PpPD D1以上郭清

 

肝癌に対する治療法

転移性肝癌

肝臓自体には問題がないのですが、消化管癌の癌細胞が血流の流れに乗って、肝臓へ流れ込み、肝臓にて腫瘍を形成したものを指します。基本的には肝転移は全身疾患と捉えられ、抗がん剤による治療が主となるのですが、大腸癌の肝転移においては、積極的外科的切除が予後改善の鍵と言われています。

当科でも残存肝機能が担保できる症例には、腫瘍個数が多数あっても、抗がん剤との併用で積極的に切除を行い、予後改善に努めています。近年は、抗がん剤治療の進歩と相まって、その切除効果は飛躍的に改善されてきています。

また、残肝臓に発生した再再発に対しても積極的な切除治療を行っています。肝臓は再生する臓器であり、一回切除を行っても、肝の体積は回復します。よって、切除治療は繰り返し可能(限界はありますが・・・)です。そうすることによって、完治を得た患者さんも経験しています。

肝細胞癌

肝細胞癌においては、ラジオ波腫瘍焼灼治療・切除治療・血管塞栓治療・肝移植などいろいろな治療方法があり、肝機能の状態・腫瘍の状態に応じて治療法を適応しています(図1)。さらに、治療方法が複数種類選択できる場合は、当院では、肝臓内科(主にラジオ波腫瘍焼灼治療を実施します)・放射線科(主に血管塞栓治療を実施します)と合同カンファレンスを行い、“ベストの治療方針は何か?”を検討したうえで治療方針を決定しています。

肝細胞癌は、たとえ根治治療を行っても、背景肝疾患(ウイルス性肝炎)が良くないと長期予後が期待できません。したがって背景肝疾患の治療も必須となります。近年、新規の抗ウイルス剤が近年登場し、これまで“治らない”と言われていたウイルス性肝炎は、“治る”時代となってきました。手術後は、当院肝臓内科と協調して背景肝疾患の治療も実施し、手術後の成績がもっと良くなるように努めています。

昨今は、診断機器の発達により、小さい段階で肝細胞癌が見つかることが多くなりました。小型肝細胞癌に対する治療は、切除治療か、ラジオ波腫瘍焼灼治療のいずれかになるのですが、当院の特色として、3種類の肝細胞癌腫瘍マーカー(AFP, AFPL3分画, PIVKA-II)の陽性度に応じて治療方針を決めております。特に3種とも陽性の肝細胞癌は、ラジオ波腫瘍焼灼治療では焼き残す恐れが高いことが、当科の調査で分かりました。焼け残った肝細胞癌は極めて悪性度が高く、大きく寿命に影響を及ぼします。よって、3種とも陽性の肝細胞癌の場合は、たとえ小さな腫瘍であったとしても、切除治療を第1選択としています(図2)。

 

腹腔鏡下肝切除について

当科では低侵襲な手術を目指し、積極的に腹腔鏡下手術を肝臓にも2008年より導入しています。当科では、すでに130例以上の腹腔鏡下肝切除を、術後重篤な合併症を起こすことなく実施しています。しかしながら、腹腔鏡下手術の適応比率は全肝切除症例の約30%であり、当科では安全に実施できると判断される症例のみに適応を制限して行っています。